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急性期在宅医療について

こんにちは。真夏のような暑さになって、外回り大変です。早急に暑さ対策を講じなければなりませんね。

今日の写真は郷土の英雄の銅像です。特に深い意味はありません。

 

今日は急性期在宅医療について、ちょっとモヤモヤしたところを言語化して整理してみようと思います。

Hospital at Home という言葉をご存じでしょうか。ひとことで言えば、病院と同等の医療を自宅で行うということです。

これ、いいことですよね。先進的な欧米の地域では普及が進み、有効性も示されています。当然、日本でも実践しているトップランナーはおられます。すごいことです。

僕は根が救急医なので、「これこそ俺が求めていたものだ!」なんて思ったりもしますが、ではやれるのか・やれているのかというと、難しいです。残念ながら。

 

在宅医療と急性期医療って相性が悪いんです。考え方が180度異なることすらある。ですから、在宅医療と急性期医療を同レベルで実践するというのは相当難しいことです。

もちろん、在宅療養中の方になにがしかの変化が発生して急性期医療・救急医療が必要になることは日常茶飯事です。

その時に在宅医が行わなければならないのは、それが在宅医療(在宅緩和ケア)の範囲内で対応できる・対応すべき事態なのか、病院で急性期医療を受けるべきなのかを判断することです。そしてこの判断基準は在宅医療独特です。急性期医療的判断基準とは異なることもしばしばあります。急性期医療的には間違った判断である可能性もあるのです。なぜなら『生命維持』を判断基準の最優先にはしないことがあるからです。

 

Hospital at Home が理念として素晴らしいのは間違いありません。自分の家で、自分のベッドに寝て、自分の家のご飯を食べて、家族やペットと一緒に過ごしながら、病院入院と同等の医療を受けられるなんて最高ですよね。しかし、ここで重要なのは「医療を受ける」ということです。あたりまえですが。

ですからHospital at Home が成立するためには、第一に的確な急性期医療の診断と方針決定があって、第二にそれを在宅環境に落とし込む、という手続きが必要です。日本で実践するにはまずふだんから病院で急性期医療に従事する医療チームが発動して(必要なら病院で検査を行う、短期入院するなども含め)診断と方針を決定し、その指導の下に在宅医がその部分においては在宅医療(在宅緩和ケア)よりも急性期医療を優先するという姿勢で診療を行う、ということが必要だと思います。在宅医の力だけで最初から最後まで行うのは無理があると思うのです。

 

「在宅医は在宅急性期医療も行わなければならない」という人もいますが、僕は違うと思います。少なくともHospital at Home と呼べるようなレベルの急性期医療を、急性期医療の臨床経験の乏しい在宅医が責任をもってできるものではありません(もちろん急性期医療・救急医療のスキルを持った在宅医も存在しますが)。

在宅医療・在宅緩和ケアの範囲内で行う急性期対応を在宅急性期医療と呼ぶのであればそれはそれで構いませんが、それはHospital at Home とは別物だと思います。別物であるということに在宅医は自覚的でなければなりません。自己流のHospital at Home は危険ですらあると思います。