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管理と支援

こんにちは。

気温が低かったり高かったりで体調管理が難しい今日この頃です。今日は葉桜の写真を貼っておきます。僕は満開の桜より葉桜好きです。

ちなみに桜の木の向こう側の茶色い戸建てが当院です(賃貸です)。

 

今日は管理と支援ということについて考えてみます。

『管理』という言葉は普通に使ってますよね。慢性厨二病の筆者としては、「管理する」と言われると「管理されたくない」と答えたくなってしまいますが、まあ生きていくうえで必要な管理は受け入れなければなりません。

医療業界においてはこの『管理』というものが非常に重要です。医療は医療者が管理することによって成り立っていると言ってもよいでしょう。

そして多くの医療的管理には金銭が発生します。金銭が発生するということは、責任も発生するということです。

 

在宅医療の現場でも様々な『管理』が発生しています。在宅医療特有のものもあれば、通常の外来診療と共通のものもあります。特徴的なものに『在宅時医学総合管理』というものがあります。大雑把に説明すると、「在宅療養生活中の患者さんの医学的(実際は医療的)な面を総合的に管理し責任を負う」ということであり、疾患や病態などにはよりません。もちろん、これを算定するにはいろいろな条件があります。最も重要なのは24時間対応ということになります。ただ、24時間対応といっても、医療的な側面に限ります。ここがちょっと難しいところです。

訪問診療・在宅医療を受けている患者さんは在宅で療養生活を送っています。大事なのは『生活』です。われわれ在宅医療従事者は在宅患者さんの生活を管理しているのではありません。生活に対しわれわれが行っているのはあくまでも『支援』です。ですから『在宅療養支援診療所』という名称になるわけです。

医療(医学)に関しては『管理』ですが、生活に対しては『支援』なのです。

 

『管理』と『支援』の違いは重要です。

『管理』において主導権を握っているのは管理する側です。一方で『支援』においての主導権は支援される側にあります。ここをはき違えるといろいろと齟齬や不協和音が発生します。ただ住み分けは簡単ではありません。

病院入院の場合を考えてみます。医学的根拠に基づく医療処置を受けるために入院するわけですが、入院中は24時間にわたり行動そのものを管理されます。支援的な面はほぼありません。ですから入院中は許可なく病院の敷地外に出ることはできません。決められたスケジュールで過ごさなければなりません。食べるものも制限されます。いつも同じベッドで寝なければなりません。医療処置を行う上で病院に滞在していなければならない以上、この『管理』は受け入れなければならないのです。

必然的にそこには『管理責任』が発生します。医療処置とは無関係なところで入院患者さんが転んでけがしても、病院側は責任を問われるわけです。

 

一方在宅では、患者さんが管理されるのは医療面だけです。それ以外の部分は支援されるだけですので、行動は(ほぼ)自由です(唯一の行動制限は、訪問診療の際に家にいてもらうことだけです)。どこに出かけるのも、何を食べるのも、どこで寝るのも基本的に患者さんの自由です。

必然的に患者さんの行動に対する『管理責任』は発生しません。医療処置と無関係なところで転んでけがしても、医療者は責任を負いません。

施設は、微妙です。入院と在宅の中間的な意味合いになりますが、どこまでが『管理』でどこからが『支援』かわかりにくいところがあります。要するにファジーです。それがよさでもあり悪さでもあります。

 

『管理』の反対を『自由』と捉えるなら、「管理されるより自由がいい」という意識が発生するのは当然です。管理に『管理責任』が発生するのと同じく自由には『自己責任』というものが発生します。

自由度の大きさ=自己責任の大きさ とも言えるわけです。

だからこその『支援』です。

患者さんにはできるだけ自由にご自分の意思で過ごしてもらいたいと思っています。そこで発生する『自己責任』をできるだけマイルドにして穏やかに、そして苦痛や危険が少なく過ごすために『支援』が必要になるのです。

在宅医療機関は医療に対する『管理者』であると同時に療養生活に対する『支援者』でもあるのです。