Homeboundについて

こんにちは。

本格的な夏がやってきてしまいましたね。寒いのも暑いのもつらいですね。

今日の一枚は東京の水がめ、奥多摩湖の風景です。水不足は大丈夫そうです。

 

今日はHomeboundに関連した話をしてみます。

皆さんはHomeboundという言葉をご存じでしょうか。僕は最近まで知りませんでした。勉強不足でした。

boundというのはボールが弾むバウンドのことですが、『縛られた』という意味もあるようです。Homeboundは『家に縛られた状態』ということであり、『家から出られない(出るのが大変な)状態』という意味になります。(ちなみにB'zにHomeboundという曲があるらしいですが、どんな内容かは僕は知りません)

では、Homeboundと医療の関係性について考えてみます。

 

まず大胆な物言いをしますが、医療は2つに分けられると思っています。緩和ケアの主要部分である緩和医療とそれ以外の医療(通常医療といってよいでしょうか)です。そして、通常医療はさらに慢性期医療と急性期医療に分けて考えることができます。緩和医療の話はひとまず置いといて、通常医療について考えます。

慢性期医療はある一定の期間ごと(その期間は病態によって変わります)に診療を受けるものであり、日常的にはセルフケアが必要になります。高血圧症や糖尿病などが分かりやすいですね。1-3か月ごとに医療機関を受診し診療と処方を受け、日常的には食事管理、内服管理、血圧測定や血糖値測定などを行う、というようなことです。病態によってはセルフケアは結構大変なこともあります。経管栄養管理とか、酸素療法管理とか、人工呼吸管理などもあります。

Homeboundな状態の人はしばしば慢性期医療を必要とします。慢性期医療が必要な状態がHomeboundな状態の原因になっていることも多くあります。一定の期間ごとに診療を受ける必要があるが通院が困難、な状態ですから訪問診療の適応になります。

そして、日常的なセルフケアもHomeboundな状態だと十分にできないことがあります。そこで、セルフケアを支援する必要が出てきます。このセルフケアの支援を充実させることは疾患の管理上もQOL的にも非常に重要です。

 

誤解を恐れずに言うと、そもそも慢性期医療自体には医療的な24時間対応は不要です(セルフケア支援は24時間対応が必要なことはあります)。もちろん、急性期医療には24時間対応が必要であり、慢性疾患の急性増悪は急性期医療の範疇に入ります。

ですから、Homeboundな状態の人の慢性期医療対応としての訪問診療は24時間対応は不要だと思うわけです。さらにセルフケア支援が充実していれば、診療のサイクルもかなり長くすることが可能です。にもかかわらず、日本では訪問診療は医療の内容によらず24時間対応をデフォルトにしており、かなり短いサイクルでの訪問を既定路線としています(オンライン診療導入により変化はありますが)。これはリソースの分配方法としては適切ではないとも言えます。

 

日本の訪問診療・在宅医療システムは濃厚であり、健康保険の恩恵を受け負担は軽微です。そのため問題が見えにくくなっています。社会保障費高騰が問題化している昨今ですからロジックを考え直す時期に来ているのかもしれません。

急性期医療と緩和医療の話はできていませんが、長くなったので今回はここまでで次回以降に持ち越させていただきます。お待ちくださいね。