こんにちは。
紅葉がきれいな季節になりました。気分がいいですね。ちょっと寒いけど。
先日、『西東京市市民協働推進センターゆめこらぼ』のスタッフさんが診療所においでになりました。
とても有意義なお話し合いができたと思っています(例によって一方的に好き勝手しゃべりまくったというきらいはりますが)。
話の詳細には触れられませんが、話題は主に『がんカフェ』とか『がんサロン』とか呼ばれるものについてでした。スタッフの方々が、地域で生活するがん患者さんの困りごとに接したことに端を発したものでした。
これ、素晴らしいことだと思うんです。
シシリーソンダース先生が提唱されたように、がん患者さんの感じている苦痛は複雑です(もちろんがん患者さんに限ったことではありませんが)。
苦痛について詳しく分析していくと、苦痛には身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピルチュアルな苦痛という側面があると考えられ、全体としてトータルペイン(全人的苦痛)と称するとされています。
がん患者さんが(治療中の方も、サバイバーの方も、それ以外の方も)社会生活において、様々な困りごとを経験しているのは想像に難くありません。これを社会的苦痛と評価するわけです。
われわれ医療者は主に身体的苦痛に対処するところからトータルペインに立ち向かっています。医療的なアプローチでは社会的苦痛を軽減することはなかなかできません。そこで、この社会的苦痛に対処するためにソーシャルワーカーさんのような方々がいるわけです。在宅緩和ケア領域ではケアマネージャーさんがこの役割を担うことが多いと思います。
しかしながら、どうしても構造上医療専門職側あるいは介護専門職側からのアプローチにならざるを得ません。医療、介護から完全に切り離したところで社会的苦痛に対処することはできないのです。
そんなわけで、非医療職、非介護職の方々ががん患者さんの社会的苦痛に立ち向かうために活動するというのは非常に有難いことです。われわれ医療者には絶対にできないアプローチです。
がん診療拠点病院にはがん相談支援センターというものが設置されています。ご存じの方、利用されている方も多いと思います。がん患者さんの社会的苦痛軽減にとても有用だと思います。しかしながら、2つの弱点があります。それは、医療者側からの発信であることと、地域密着ではないことです。病院の機能が上がれば上がるほど、地域密着性が低下していくという二律背反があるのです。
非医療職・非介護職かつ生活の場である『地域』で活動している方々が声を上げることはとても重要で有難いことです。医療側からだけのアプローチよりも患者さんのトータルペイン軽減には効果的だと思います。
最大の目的は、トータルペインを減らすことですから。
