こんにちは。暖房が必要な時期になってしまいましたね。
今日は『波』について考えてみます。科学的なような似非科学的なような話です。
いきなり変なことを言うようですが、この世界のすべての事象は『波』の性質を持っているのだと思っています。
波というのは、左図(これはサインカーブと呼ばれるものです)のようなものをイメージしています。
ある事象について何らかの基準(縦軸、Y軸)で評価すると上がり下がりがあるということです。そしてそれを時間の経過(横軸、X軸)で考えるわけです。
上がり下がりの程度のことを振幅と言います。上がって下がる(下がって上がる)までの時間を波長と言い、ある時間内にそれが発生する回数を周波数と言います。
当然世の中のあらゆることは複雑ですから、振幅も波長も周波数も一定ではありません。刻一刻と変化します。
自分の身体で考えてみます。わかりやすいのは体調とか気分とか食欲とかモチベーションとかでしょうか。これらは心の問題ですが、身体の問題として心機能、消化機能、呼吸機能、筋力などにも波があるんじゃないかと思っています。自覚できないものが多いですが。
さらに対人関係(家族、夫婦、友達、上司、同僚など)でも波的なもの(うまが合うとか阿吽の呼吸など)を感じることがあるのではないでしょうか。文字通り「波長が合う(合わない)」なんて言い方もしますね。もうちょっと人数を増やしてみると、チームワークなんてのもあります。スポーツでは試合の流れなんて表現されたりします。
社会まで広げてみれば、景気とか流行とか時代と言われるようなものも波的な要素があると思います。
波長について考えてみると、分単位で変わるものから、日の単位、月の単位などさまざまです。さらには10年単位、100年単位、1000年単位なんていうものもあるでしょう。あまりに周期が長すぎると、我々には自覚することはできません。
そして、この波の特徴は二つあります。
①なにがしかの行為が波の発生や変動にきっかけを与えたり、影響を及ぼしたりすることはできる。
②波の動きそのものを制御することはできない。
これらはとても重要です。
何らかの波(体調とか、景気とか)を制御するとかできるとかいう言質はすべてインチキです。断言しておきます。
さて、ここからが本題です。
療養に関する話に移ります。
何らかの治療困難な疾患を抱えていると、体調の良し悪しは必ず実感します。これを波ととらえてみます。残念ながら病気が治るわけではありませんが、体調が悪いと感じた後には必ず体調が良いと感じる時が来るのです。体調が悪いからといって、過度に落ち込むことも慌てる必要もないのです。
体調の変化にはきっかけや影響を及ぼす何かがあることが多いです。ですから、体調の悪化に影響する何かはなるべく遠ざけ、体調改善に影響する何かを近づける工夫をするのは良いことです。
しかしながら、その体調の変化を適切に制御することはできません。できない以上、制御にエネルギーを注ぐことは得策ではありません。もったいないです。さきほどの工夫をした後は、のんびり自然体で過ごすことをお勧めします。
ご家族にとっても同様です。
患者さん自身の体調に波があること、そして患者さんと自分との関係性にも波があることをまず自覚しましょう。そのうえで波の二つの特徴を常に肝に銘じて接することが重要です。
体調が良い時も、悪い時も、すべてをその人自身のありようとして肯定するべきです。
体調がよくなるようなきっかけ作りに励むことは大切ですが、体調を制御しようとしてはいけません。
患者さんとご家族の関係性も一定ではありません。いい時も悪い時もあります。制御することもできません。
そういうものであると自覚して行動すればよいのだと思います。
これを思いやりと言うわけです。
