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『日本在宅ケア・サミット』つづき

こんにちは。

今日は前回の続きです。

 

今回の日本在宅ケア・サミットのサブタイトルである「おもいを叶える在宅ケア」に関して少し深堀してみます。

このサブタイトルの意図するところは何でしょうか?

これは「おもいを叶えられてない在宅ケアがあるんじゃないですか?」という問いかけだと思うのです。では、「おもいを叶えられてない在宅ケア」とは一体何でしょうか?

そうです。今話題のあれのことでしょう。シンポジウムでも取り上げられていましたので、言ってしまいますが、いわゆる『ホスピス型住宅』を指しているのだと思っています(個人の感想です)。

もちろん、『ホスピス型住宅』と呼ばれる施設でも良心的に真摯に運営しているところは多くあるわけですが、一部に不埒な輩が存在するのも事実です。その人たちが良心的な人たちの足を引っ張っているのでしょう。

 

足を引っ張ると言えば、この件で一番強く足を引っ張られているのは市原さん方の『ホームホスピス®』でしょう。ここで『ホームホスピス®』と書いたのには理由があります。そうです、これは登録商標なのです。安易に許可なくこの称号を使ってはいけないのです。(詳しくは全国ホームホスピス協会のホームページをご参照ください。)

この『ホームホスピス®』と『ホスピス型住宅』は似て非なるものです。特に一部の輩(とんでもない収益を上げているようです)とは月とスッポンです。市原さんは会の中で「ホームという言葉もホスピスという言葉も使ってほしくない」とおっしゃっていました。切実なお気持ちだと思います。強く賛同します。

 

ただ、難しいのは次の2点です。

・基本的に法に触れていない

・ニーズがある

 

よくよく検証すれば一部の輩らはルールを捻じ曲げているのでアウトであることが多いようですが、実態を証明するのは困難です。ここら辺は近いうちに何らかの鉄槌が下されると思います。

「ニーズがある」という点は、解決困難です。「ほかに行き場所があるんですか?」「在宅で最期まで看れるんですか?」「ホスピスに入院させてもらえるんですか?」「病院が面倒みてくれるんですか?」どれも100%適切には答えられません。悲しいですが、現実です。

 

『悪貨が良貨を駆逐する』という言葉があります。10年ほど前、施設訪問診療を金儲けの具に利用していた訪問診療クリニックがあちこちに出現したとき、御上の逆鱗に触れ、施設訪問診療自体の報酬を1/3ほどに引き下げたということがありました。一部の輩の不埒な行為により、多くのまっとうな施設訪問診療医たちが割を食いました。撤退せざるを得なくなったところも多くありました。

今回もその時と同じようなこと(今回のターゲットは主に訪問看護ステーションです)が起こると予測されます。現代社会において、施設訪問診療は絶対に必要です。同様に、ホスピス型住宅も絶対に必要でしょう。

 

だからこそ、行きつくところは「その在宅ケアは本人のおもいを叶えてますか?」となるわけです。そして在宅ケア従事者に対しては「あなたの提供している在宅ケアは本人のおもいを叶えるためですか? 収益を上げるためですか?」と問われてるのだと思います。

必然的に、本人のおもいを叶えているかどうかを客観的に評価する必要が出てきます。そのあたりは機会があればまた考えてみたいと思います。

本日はここまでです。