こんにちは。
少し間が開いてしまいました。
この間になんと、突然ではありますが、いろいろと思うところがありまして、小平市に移転しました。
ずっと何年間も考えていたことでもあり、ついこの間決めたことでもあり、たくさんの選択肢を想定してみても結局選べる道は一つに限られるわけでもあり、こうなりました。わかりにくくてすみません。
無難な言い方をするなら、笠井医院は次のステップへ進むことにした、という感じです。
西東京市の皆様を裏切ったわけではありません。期待に沿えなかったことはお詫びします。ただ、西東京市での役割はそれなりにこなしてきたという気持ちもあります。次の世代へバトンタッチできたらいいと思います。この辺は当ブログの『世代交代』で伏線を張っておきました。
今までお世話になった皆様方とはこれからも新たな関係性の中でお付き合いしていただけたらありがたいです。
いろいろ思うところがあったということは、当然ネガティブな思いもありました。いわゆる燃え尽き症候群に罹患しかけたきらいもあります。
ネガティブな話をここでするのは嫌なので、ポジティブな話を二つだけしてみます。たぶん、とってもわかりにくい話になると思いますが。
ひとつめは、地域から浮いた存在でありたい、ということです。
僕は地域で在宅医療・在宅緩和ケアを行うことにこだわって活動してきました。それ自体は正しいことだと思っています。ここで重要なのは、地域とは何か、ということです。地域とは患者さん・家族さんにとっての住み慣れた場所、という意味だと思っています。特定のエリアを想定しているのではありません。西東京市に住む人にとっては西東京市が地域であり、小平市に住む人にとっては小平市が地域です。
僕がどこにいるか、どこで働いているかは二の次です。
もちろん、開業医の皆さんにとっては開業した場所が地域であり、エリアとしての地域にこだわる必要があるでしょう。それに対し、当院は訪問診療専門なので、自分のクリニック(というか事務所に過ぎませんが)がどこにあるのかはさして重要ではないのです。
ところが、ひとつの場所で長らく働いていると、どうしてもそのエリアとしての地域に縛られてしまうことになります。失礼な言い方をすると、しがらみがたくさん発生します。結果的に他のエリアに対し排他的な気持ちも芽生えてしまったりします。
そこで、地域で地域のために働いているのだけれど地域には縛られない存在でありたい、と強く思うようになったのです。
わかりにくいですね。
ふたつめは、プラスアルファに力を注ぎたい、ということです。
プラスアルファとは何か、ということに関しては当ブログで以前お伝えしました(プラスアルファについて)。
医師の本分は診療である、とずっと長い間思って励んできました。診療以外のプラスアルファ的業務(学会活動、研究、論文執筆、教育、医師会活動などなど)にはほとんど興味を持ちませんでした。
それが、ある時にふと、医師の本分は社会貢献である、と思うようになったのです。もちろん診療行為は立派な社会貢献活動ですから、診療に専念するというのは間違いではありません。ただ、それだけでは自分の世界を限定してしまうのかもしれません。うぬぼれた言い方をするなら、診療以外にも役に立てることがあるはずだ、という感じでしょうか。
そこで、俺にとってのプラスアルファとは? ということをいつも考えるようになりました。地域に対するなにがしかの活動、というものを頭の中に思い描いたところ、今回の移転というとところに行きついたのです。
これもわかりにくいですよね。
そんなわけで、これからは小平市で新たに地域緩和ケアを提供していきたいと思います。
興味のある方はぜひお声掛けください。